Gut and Psychology Syndrome 最終回
最終回
昨年、日本人初のGAPSプラクティショナーに公認されてから、さらに多種多様な健康の問題を抱えるクライアントさん達の、生活習慣改善のお手伝いに関るようになり、人間という名前の大自然について深く学ぶ機会に恵まれました。とても感謝しております。そして明確になったのは、「自分の健康は、自分で守る」という事でした。勿論小さなお子さんの場合は、そのご両親が守る事になります。
そんな中で、このコラムの最後に皆さんに是非ともお伝えしておきたい事は、病気とは人生の学びの場である事です。「人生に起こる全てが必然」と言います。つまりお子さんの病も、ある意味、必然なのです。もし皆さんが、お子さんの...
Gut and Psychology Syndrome 第十一回目「GAPS食事治療– 6」
第十一回目「GAPS食事治療– 6」
ケース・スタディ2.「アトピー性皮膚炎 –2」
前回の最後に「アトピーという症状は、一種の好転反応であるからです。」書きました。
抗生物質の大量生産が可能になって以来、全ての症状が悪い病気とされ、徹底的に症状自体を抑制してしまう治療が主流となりました。でも、その症状の多くが、実は体毒を浄化する人体の自然な働きによる好転反応なのです。塞き止められ溜まりに溜まった毒が、免疫不全系の病気や内臓の不全といったいわゆる不治の病の原因です。アトピーはその一つです。
治癒には、これ以上毒を入れない事が大切なのですが、空気中には沢山の毒(黴菌、カビ...
Gut and Psychology Syndrome 第十回目「GAPS食事治療– 5」
第十回目「GAPS食事治療– 5」
ケース・スタディ2.「アトピー性皮膚炎 -1」
私が症状改善に携っているアトピーのケースでとても気になるのが、学習障害、運動機能障害、情緒障害などを併発しているお子さんがほとんどである事です。中にはこういった併発している症状が非常に軽いために、はっきり目に見える形で起こるアトピーに気を取られて、御両親すら気づいていないケースが多々あります。「家の子は、何をしてものろいんです。」「家の子は、とても・・・に拘るんです。」程度にしか思っていないのです。
でも、どんなに軽くても、実はこの併発している症状の方がアトピー以上に問題です。何故なら、これら...
Gut and Psychology Syndrome 第九回目「GAPS食事治療 – ケース・スタ...
第九回目「GAPS食事治療 – ケース・スタディ1.「スピーチ・ディレイ」」
今回は、GAPSの症状の一つ「スピーチ・ディレイ」について、私の経験をお話します。
話す時に躊躇する、きちんと発音できない、モゴモゴいう、吃音する、親のいう事への反応が鈍い、(酷い場合は)無反応など、症状は個人差があります。これまでに私が見せて頂いたお子さんは、1歳半から10歳前後です。またいずれのケースも、GAPSの食事療法で改善がみられました。年齢が低ければ低いほど完治度が高くなり、治っていく経過も簡単で早いです。また、年齢が高くなればなるほど、他の症状も多岐にわたって併発しているケースが増えます。最...
Gut and Psychology Syndrome 第八回目「GAPS用、食事治療 – 3.」
第八回目「GAPS用、食事治療 – 3.」
自閉症に代表される子供達の発達障害、学習障害と情緒障害、躁鬱病、統合失調症、アレルギー、喘息、アトピーなどの皮膚炎、摂食障害、癲癇などのGAPSは、腸の状態が原因ですので、それに適した方法で治さなければなりません。腸内細菌叢の生態が壊され、小腸上皮のシステムが崩れ消化・吸収不良になっている彼らに一番消化しにくい食べ物は、植物性の食物です。そして、壊れた腸やその他の組織を治すのに必要な主な食べ物は蛋白質です。人間にとって最も高品質で、最も消化しやすい蛋白質は、肉、魚、卵、乳製品といった動物性食品に含まれています。GAPS患者の場合、基本的に動物性...
Gut and Psychology Syndrome 第七回目「GAPS用、食事治療 –2.」
第七回目「GAPS用、食事治療 –2.」
GAPSの患者たちは、大人も子供も同様に多くの栄養素不足が深刻です。この栄養素不足によって、発育不全、機能不全に陥っている状態が、GAPSです。「うちの子は自閉症だけど、何でも食べます。」「うちの子は、好き嫌いが激しくて食べ物の種類が数少ないです。」と色々な状態に見えるのがGAPSです。見た目に食事の習慣が良くても悪くても、彼らの体内では同じように消化不全と吸収不全が起きています。
GAPSの症状を持つ人々に一番良くないのは、何と野菜と果物です。一般的に健康に良いとされる食物が彼らの症状を悪化させる原因になってしまいます。腸内細菌叢がダメー...
Gut and Psychology Syndrome 第六回目「GAPS用、食事治療 –1.」
第6回目「GAPS用、食事治療 –1.」
今回から、GAPS患者(大人も子供も含む)のための食事治療について、お話していきます。
先ずは、GFCF(グルテンフリー・カゼインフリー)ダイエットとGAPSについてです。GFCFは、最近ではかなり知名度を上げてきました。グルテンは、穀物、特に小麦、ライ麦、大麦、オート麦に含まれるタンパク質で、カゼインは乳と乳製品に含まれるタンパク質です。
「GFCFダイエットでは、これら二種類のタンパク質を含む食べ物を全て排除することを目指します。この理論は確かに正しいのですが、その適用の仕方が問題です。自閉症の子どもたちは、腸内細菌のバランスが異...
Gut and Psychology Syndrome 第五回目「罪の意識を超えて」
第五回目「罪の意識を超えて」
これまで子供達の急増する自閉症、多動症、注意欠陥障害、喘息、アレルギー、アトピー皮膚炎、うつ病など、GAPSの原因についてお話してきました。聞けば聞くほど、そういったお子さんを持つ御両親は、罪の意識に苛まれたのではないでしょうか?GAPSの原因と治療法を、熱心に研究し一冊の本「Gut and Psychology Syndrome」にまとめたナターシャ・キャンベル-マクブライド博士も、実は自閉症のお子さんのお母さんなのです。
ナターシャは、すでに神経外科のお医者さんとして活動していましたが、第二専門分野を何にするか迷っていたそうです。そんな時に彼女の5...
Gut and Psychology Syndrome 第四回目「GAPSのテーマは共存」
第四回目「GAPSのテーマは共存」
これまで、このコラムを読んでくださっている読者の皆様は、もうお気づきかと思います。GAPSの根本たる原因は、私たちの腸に寄生する腸内細菌叢の生態系を崩すような生活習慣です。
進化の過程で、神は、生命の中に他の生命が生きづき、助け合って健康を維持できる仕組みを創ったのです。しかしながら、人間としての心の豊かさを学ぶための大切なツールである感性を無視した生き方に、何世代にも渡って甘んじてきたがゆえに、今やGAPSという赤信号を示されているのです。自然を無視した行き過ぎのキャピタリズムにサポートされた現代医学のあり方に、警鐘をならしたのではないでしょう...
Gut and Psychology Syndrome 第三回目「基礎知識 2–腸内細菌と免疫システ...
第三回目「基礎知識 2–腸内細菌と免疫システム」
今回は、人間が生まれた時から、どうやって免疫システムを築き上げていくかについてお話します。前回のコラムで説明したように、腸内細菌叢が免疫システムその物であると言っても良いほど、その役割は私たちの健康に不可欠である事を思い出してください。
赤ちゃんは、外敵への抵抗力は0で生まれて来ると、考えれば良いでしょう。生まれてから、徐々にお母さんに守られながら、自分の免疫システムを築いていきます。胎児は完全無菌状態です。母さんの膣の中、つまり産道は腸内細菌の宝庫になっています。赤ちゃんはお母さんの産道を通って世の中に出てくる直前に、腸内細菌を受...