自分=愛・自分を癒せるのは自分しかいない(4)

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からだと心と魂のつながり「真我を開くセルフヒーリングへの道」マキコ・メソッド(9

自分=愛・自分を癒せるのは自分しかいない(4)

愛というのは、棚から落ちてくる牡丹餅(ぼたもち)のようなものでも、雛(ひな)鳥のようにピーチクパーチク口を開けて待っていれば誰かが運んできてくれるようなものでもありません。愛は育むもの。つまりせっせと時間と労力をかけて、築いていくべきものだということです。

私が結婚する時、「結婚するって、どういうことだろう?」「なんで結婚しなきゃいけないんだろう?」といろいろ結婚することについてのダウトが頭の中をよぎりました。でも、私のガット・センスがはっきり「結婚しなきゃいけない!」と言うんです。また、結婚直前にたまたま読んでいたジョセフ・キャンベル著の『ザ・パワー・オブ・ミス』に「結婚は、魂の成長にとって最上級の修行である」みたいなことが書いてあったのです。その当時「魂の成長」を人生の目標に掲げていた私は、すっかりその気にさせられてしまったようです。「よ~し、頑張るぞ~!」と、愛のためというより自分の魂の成長のために結婚という人生のチャレンジを、素直に受け入れたのでした。

また、私の人生の辞書には「離婚」という言葉がありませんでした。それは、独立して初めに開いたスタジオがアッパー・イーストサイドにあっため、スーパー・リッチなクライアントたちの不幸な結婚と、それに続く離婚後の行く末を、知らず知らずのうちに学んでいたためです。もちろんいがみ合ってばかりいて、埒(らち)が明かない状態を続けるよりは離婚したほうが良いケースもあると思います。でも離婚は本当に体力、心力をイグゾーストしてしまいます。イグゾーストを辞書で引くと、「不毛にする」というのがあります。「不毛になった人」を想像できますか? この戦いに費やすエネルギーを愛する努力に使った方が、どう見てもお得ですよ。もし、あなたが今まだセーブきる結婚をあきらめるか否か迷っていらっしゃるのであれば、「愛とは何か?」を旦那さまと一緒に学び直すことをお勧めいたします。

っと、前置きはこれくらいにして、私が結婚から学んだ「100%健康で幸せな人生」のハウツーをお教えしましょう。

その大昔、「マキコ・メソッド」の始まりが、立ち方、歩き方といった体の姿勢にフォーカスされていたことを覚えていらっしゃる方もあるでしょう。その後、体の姿勢と心の姿勢が同じであることを説くようになりました。そしてある時、食事がこれらの心と体の姿勢の問題の根本原因であることに気づいて、栄養とさまざまな食事療法について集中的に学びました。

一時期はベジタリアンを信じていた時期もあります。

最終的に日本人初のGAPS食事療法士の資格を取得するに至り、それまで以上にクライアントの持ち込んでくる健康の問題が複雑化、重症化し、人生における健康と幸せについて多方面から学ぶ機会を得たのです。肉体、心理、思考、感情、スピリチュアルからエネルギーに関してまで、ありとあらゆる角度から「人間とは何か?」、「人生とは何か?」「私たちはどう生きるべきか?」といった、多くの人々が感心を寄せるテーマの研究を深める結果になりました。これについて、私は自分の人生と神様にとっても感謝しています。

そんな中、結婚した私は、クライアントたちと学んできた全てを、自分の人生に実践・応用してみる機会を与えられたのです。多分、多くの“初心者夫婦”が経験するのではないかと、今では笑って振り返るようになりましたが、散々喧嘩(けんか)しました。喧嘩の始まる切っ掛けは、後で落ち着いてよく考えれば別に大したことのない下らないことばかりなのです。もちろん意見の食い違いから大喧嘩になるというのはどの夫婦にもあるでしょう。それに加えて、エクアドル生まれでニューヨーク育ちの、スペイン語と英語が両方母国語みたいな旦那と、生粋の日本人の私との国際結婚なので、カルチャーの違いや、英語の発音の聞き違いなども原因になりました。怒り始めてから、「僕はそんなことは言っていない! ○○と言ったんだ!」、「え~? いや○○としか聞こえなかった!」みたいなことは、結構ありました。

私が初めに疑問に思ったのは、愛し合って結婚したはずなのに、なぜお互いの違いをそんなにまで受け入れることができないのだろうか?ということでした。十人十色が自然なら、彼との違いに目くじらを立てる方がばかですよね。そして愛は無条件に決まっているはずですから、彼の言動は全て許すことができるようになるのが、愛を学ぶ者のゴールです。それに、意見が違っても喧嘩になる時もあれば、ならない時もあるわけですから、喧嘩の種そのものが原因ではないんじゃあないかと思ったのです。そこで、いつ、どういう過程を経て喧嘩という結果にたどりつくのか、夫と自分をよく観察することにしました。そして気が付いたのは、食事の質と自分たちの我慢度が比例することでした。彼がお腹がすいているときは、我慢度ほぼゼロ。質の悪い外食の後は、私の我慢度0~1。そして最後に砂糖の入ったものを食べた後は、二人とも我慢度1くらい。

確か前々回、この世の多くの人々の心身の病気や悩みの原因が、食事と睡眠の質にあることに触れました。これらに加えてもう一つ大切なのがウンチの出方と質なんです。つまり、人間にとって健全な食事をして、健全に睡眠をとって、健全なウンチをしていると心身共に健全になれるということなのですが、この健全な食事をしないと夫婦間の平和が乱れることに、この時気が付いたわけです。私がGAPS食事療法を知ったのが、結婚後約2年経過してからでした。それまで、いわゆる「日本的な健康な食事」を作っていました。つまり、低脂肪、低塩分で野菜中心のご飯です。しかもマヨネーズ、ドレッシング、ポン酢、ソースなどは、市販のものを使っていました。でも、GAPS食事療法の存在を知り、プラクティショナー・トレーニングにアプライする準備を始めたころから、良質の脂肪をたくさん取り入れるようになり、お米、パン、うどん、そばの類を取り除き、パスタは1カ月に1~2回に減らしたのです。最低週4回は、豪華な「お家ご飯」を作って一緒に夕飯を楽しむようにし、私の方が遅く家に帰ることが分かっている日は、自家製チキン・ブロスにたっぷりバターで炒めた野菜を入れた、栄養満点野菜スープを作り置きしていくようにしたのです。往々にして、米国人男性は妻が食事を毎日きっちり作ることに罪の意識を感じるようで、当初はプロテストしていた夫は徐々に「お家ご飯」の虜(とりこ)に。しばらくすると、「週末に、君とゆっくりご飯を食べるのが楽しみなんだ」とうれしそうに言うようになりました。また、栄養満点のご飯で元気になった彼は、食事の後の後片付けと皿洗いを毎回担当するようになりました。前出のマヨネーズ、ドレッシング、ポン酢、ソースなどは、全部自然の材料で自家製に変更。彼が独身だった時、冷蔵庫に常備されていた某有名メーカーの粉を水に溶かすだけのアイス・ティーを本物のルーズリーフティーを煮出して冷やしたものに、パウンドケーキやアイスクリームなどのデザートも防腐剤や風味を保つために入れてある添加物などを避けるために自家製に。もちろん、砂糖は蜂蜜やメープルシロップに、小麦粉はアーモンド粉とココナツ粉に変更。自家製ブロス用のチキンと毎日食べる卵は放牧鳥、乳製品は全部生乳から作られたものに変更。ヨーグルトは生乳で作った自家製。野菜と果物はオーガニックも大切ですが、それ以上に新鮮かどうかを重視。オーガニック野菜を扱っている食料品スーパーでも、新鮮でないものもありますのでご注意ください。

うちは子供はいませんが、私は起業して自分のビジネスがあります。ですから、それなりに忙しいです。でも、食事内容が充実することで、栄養の摂取が十分にできるようになったお陰で、気力も体力も上がって気持ちもポジティブを維持しやすくなりましたし、驚くほど集中力、想像力、プロダクティヴィビティなどが上がったのです。食事の質が悪いと、ボーっとする時間も増え、眠くなったり、不必要にイライラしたりということが増えてしまいます。気が付かない程度でも、体の何処かに不調和な部分があると、仕事がはかどりませんよね。特に砂糖と添加物を取ると睡眠の質が悪くなります。もちろんウンチの出も質も悪くなりますし。

こうして私たち夫婦は、相手を理解する心の余裕を食事の質を上げることで解決したのです。GAPS食事療法を過程に取り入れること約7年、7年という時間は人間の細胞が100%再生する長さです。彼は今年60歳、私は56歳になりますが、二人そろって以前よりも元気です。新しいことにチャレンジする気力も体力も十分にあります。よく眠れますし、薬は一切飲んでいません。ある時、夫の友人が「君はどんな薬を飲んでいるんだい?」と、自分の薬ケースを出しながら訊ねたことがあります。夫が「何も飲んでいないよ。」と答えると、「え? どうして?」とお友達、「病気じゃないからさ。」とうちの夫、といった不思議な会話をしたことがあります。それほど、この国では、ある程度の年齢がいくと薬を服用するのが当たり前になっているのです。彼はデザートが大好きでお砂糖の入ったものを食べるときの目つきは、異常なものがあります。常に栄養が足りていない状態なのです。ちなみに彼の奥さんは、一切お料理をしません。この奥さんは今では、神経伝達物質のバランスが崩れたことによる免疫不全系の病気で、片頭痛に悩まされています。彼らの一人娘は14歳を過ぎたころから性格が荒れ出して、彼らの手に負えないのだそうです。悪い食事とティーンの性格の荒れとの関係については、またこの次、お話してみたいと思います。

食事の質を改善すると、健康になって家庭が平和になること以外にも、すごいボーナスが付いてくるんです。それは、夫の出世と給料の向上。まさに本紙掲載の本田健さんのコラムにあるような「幸せな小金持ち」になれるんです。GAPS食事療法は「お腹と心と懐を豊かにする食事」なのです!