〈Q&A〉人が怖いです。
Q 人が怖いです。対人恐怖症のようなんです。また、不安感や緊張感がやみません。
A この世で一番怖いのは人間で、一番のストレスの原因は対人なので、あなたの症状は病気ではなく、自然な反応ということになります。ただ、それが度を越えて、日常生活に支障を来すほどになると、対人恐怖症という名前がついてしまうわけです。最近の、傷つかないように、傷つけられないように、他人の目を気にしながら、ビクビク生きている精神脆弱(ぜいじゃく)な現代人たちは、あなた以上に不安感とそれに伴う緊張感いっぱいの日々を過ごしていることでしょう。あなたのように自分の問題と向きあうことができる人は大丈夫です。自分の性格や生き方に疑問を抱き、こうして改善策を探索しているではないですか。それは勇気ですよ。だから、大丈夫なんです。
しかしながら、このいわゆる対人恐怖症の原因が、大本は栄養のバランスと腸内細菌叢の健康状態だって言ったらどうします? まあ、信じられなくても無理はないでしょう。でも、本当です。何と言っても私たち人間の精神的強さは身体的強さそのものなので、正しい食生活に支えられて、身体機能が十二分に機能していることと生命力にあふれていることが、人間性の基礎になります。身体的強さとは、変化できない頑固さではなく、地に足の着いたしなやかさみたいな感じでしょうか。このしなやかさを作り出す必須栄養素が何だか想像できますか? 動物性のタンパク質と脂質ですよ。野菜は二の次なんです。肉を食べると気が荒くなるというのは間違いです。もちろん、自然で良質でなければなりません。
対人関係で一番ストレスフルなのは、性格や思考が自分と対立する場合ですよね。ああ、でも、自分にそっくりな相手も嫌ですよねえ。特に自分でも嫌いな自分を相手の中に見ちゃったりする場合なんか、もう最悪!
でも、このストレスフルでそこにいるのがつらいと思える時と場が、私たちのしなやかさを生み出すための、一番の修行の場なんです。対人でもなんでも、この世の中の嫌だと思うことをこの世から減らすには、嫌なことと付き合わなければ減らせません。分かっていますか? 人生は修行なんですよ。無条件の愛を学ぶためのね。皆さんがそれが好きだろうが嫌いだろうが、不得意なことは練習しないと克服できませんので。
長い間、治癒のお手伝いをしてきて感じるのは、ストレスを避けるために二重三重にストレスを作り出し、同じ間違いを繰り返して疲労困憊(こんぱい)し、生命力を使い果たして病気になる方が多く存在することです。でも、ストレスを作っている原因は、皆さんの内に存在します。ですから、この世の嫌なこと、ストレスフルな事象から目を背けたら、自分から目を背けることになってしまう。そうしたら自分の良いところも見えないから、何らかの能力を持っていてもそれを表現できず、発揮できずにイライラする。イライラが続いてリラックスできないと、腸内細菌叢は大打撃を受けるんです。びっくり!でしょ? こんなところで、ストレスと腸内細菌叢が関係していたなんて。腸内細菌叢のうちの善玉菌ってとってもデリケートで、たとえまともなお食事を続けていても、連続的な精神的ストレスが加わると元気をなくして悪玉菌に棲み処(すみか)を乗っ取られてしまうんです。だから、無条件の愛を目指すことでストレスが減ると健康維持がしやすくなると、そういうわけなんです。
無条件ということは、基本的に誰が何をしていても自分は右往左往したり、感情的になったりしないってことですよ。かなり地に足が着いて、肝の据わった人間でなければ無理です。これまで、この無条件の愛を求めて多くの人がスピリチュアリティーの追求に宇宙を見上げてきたと思いますが、空を見つめていても愛は学べません! 実はスピリチュアリティーを学び、無条件の愛を目指すには、やっぱり昔から言われているように「健全なる精神は、健全なる身体に宿る」を実践するしかないんです。健全な体が健全な心、つまり揺らがない心をサポートするわけですから。そして、この「健全な体」は、健全な食から作られるんですねえ。食を正したら、もう一つ正さなければならないものがあります。それが姿勢です。姿勢を正すと地に足がついて体の真ん中に1本のチューブのような空間が体感できるようになります。このチューブが口から肛門までの、消化官です。間違った食事によって消化管の腫れや歪みが続いているうちは、姿勢矯正エクササイズを100万回やっても真っすぐ立てるようにはなりません。お菓子や精製加工食品を食べながら姿勢を正すことはできないのです。またベジタリアンでは、生命力が満たされません。消化管の組織は主にタンパク質でできています。消化しやすい動物性タンパク質と脂質を十分に摂取し、吸収力を上げて再生を促進することが結果的に速やかな治癒につながるのです。
対人恐怖症の改善策をまとめますと、1.お食事の改善。特に穀類、豆類、イモ類を減らして、動物性タンパク質と脂肪の摂取量を増やすこと。2.肝が据わる体エクササイズをする。お勧めは、縄なし縄跳び(ほとんど足の裏を床から離さずに、弾むだけで十分)を朝晩100回ずつ。3.対人が怖いのは自然なことなのだと、モノの見方を変える練習をする。しばらく続けてみてください。他人が気にならなくなるし、自分が自分であることが楽しく感じられるようになります。