からだと心と魂のつながり「真我を開くセルフヒーリングへの道」マキコ・メソッド(4)

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〈Q&A〉食べたものが、うまく消化できない(1)

Q 食べたものが、うまく消化できません。胃がムカムカしたり、便秘が続きます。特に肉を食べると便秘になります。なので、ベジタリアンになってしまいました。

A 今回はウンチについての意外なお話をしますね。まずウンチの主なイングレディエンツ(含有物)は、水、食べかす、腸内細菌(善玉菌、日和見菌、悪玉菌のコンビネーション)と剥がれ落ちた腸粘膜。このうちの食べかすは、そのほとんどが食物繊維(つまり野菜)なのだそうです。つまり野菜を食べれば食べるほどウンチの量が増える仕組み。また、本当の健康な人のウンチには、食べかすはほとんど見られないはずなのだそうです。つまり便秘の時に大腸に詰まっている物質は、肉ではなく野菜なんです。ですから、便秘の時に、さらに食物繊維の高い野菜を食べるのは間違いです。ただし、太さ約1~2センチの切れの良いウンチが毎日1~3回、何の苦労もなくきちんと出て、健康に何の問題もない方が、自然の恵みの野菜を普通に召し上がる分には何の問題もありません。

お肉は、基本的に胃で消化されて十二指腸に行く頃には、ドロドロのキメという状態になり、それから小腸で吸収されてしまうんです。お肉はウンチを生産しないということになりますので、お肉を食べると便秘になるというのは完全な思い込みです。うまく消化できないということですので、ウンチの内容物をご覧になってみると良いでしょう。大抵は、未消化の野菜のカスがウンチに混ざっているはずです。ウンチに未消化のお肉が混ざっていることは、まずありません。ただしグリルなどで焦げた肉は別です。焦げた肉は消化できませんので、その場合はウンチに含まれることもあります。

この方の場合、お肉を食べることと胃がムカムカすることの関連性については、触れていませんが、もし、お肉を食べると胃がムカムカする、あるいは胃にもたれるというのであれば、それは多分お肉の中のタンパク質か脂肪を消化する酵素、胃酸、たん汁などを作る機能に異常があるものと思われます。この消化を支える体液の生産機能の低下と便秘という二重のサインが、あなたの腸内細菌叢の不調和を示しているのは明らかです。
腸内細菌叢の不調和はベジタリアンになることでは改善できません。下剤やセンナなどの瀉下(しゃげ)薬は、その時だけは効きますが、便秘の根本原因は治してはくれません。

また、何度も繰り返し使用すると、かえって大腸の機能にダメージを与えてしまい、慢性的な便秘の原因となってしまいます。

前出の、焦げた肉の食べすぎも胃のムカムカの原因になるかもしれませんね。また、何か消化できない精製加工された食材と一緒に召し上がっているといったことや、お肉自体の質が悪いことも考えられます。健康に気をつかう方が往々にしてオーガニックの質の良い野菜を選ぶのに、動物性食品となるとそれほど気にしないことが間々あります。野菜のオーガニックに匹敵する良質の動物性食品(牛、豚、羊、鳥とその卵など)は、放牧されていて、それぞれの本質にあった餌を与えられていることが条件となります。例えば狂牛病の原因を考えれば分かりやすいと思いますが、緑の牧草を食べるのが本質の牛に死んだ子牛の骨や肉を飼料に混ぜて食べさせたりすることで、牛の脳に異常が起こるのが狂牛病です。このように本質に合わない食べ物を食べるとお肉でも野菜でも関係なく、人間も病気になるのです。

この方の場合、対処法としては、便秘の原因である腸内細菌叢の不調和を改善することが先決だと思います。たかが便秘されど便秘。ウンチというのは体毒ですから、溜(た)めておいて良いはずがありません。私がその改善をお手伝いしてきた難病のクライアントさんは99%便秘でした。若い頃からの便秘を放っておいて難病に発展してしまったのでした。橋本病、バセドー病、痛風、卵巣嚢腫(のうしゅ)、過敏性腸症候群、注意欠陥障害(ADD)、リューマチ、パーキンソン症候群、うつ病、統合失調症、アトピー性皮膚炎、乾癬(かんせん)、線維筋痛症、卵巣嚢胞(のうほう)、不妊症、生理不順、カンジダ症など、全てです。

腸内細菌叢の不調和を改善するには、GAPS食事療法とフェルデンクライス・メソッドなどの体のつまりを解消して姿勢を正してくれるボディ・ワークとの組み合わせが有効です。私も姿勢と健康との関わりについての研究に、長い間取り組んできました。そして分かったのは、悪い姿勢の始まりが悪い食事だったことです。薬でも加工食品でも、人間の本質に合わない物を口に入れますと、まず消化器官に異常をきたします。すると免疫力が腫れを起こして侵入異物と戦うのです。これによってミス・アライメントが起こり、悪い姿勢になるのです。一度悪い姿勢が癖になってしまいますと、食事療法だけでは、なかなか完全に健康な体機能を取り戻せなくなります。なぜかというと、悪い姿勢で凝り固まり、十分に循環しなくなった場所に悪玉菌が繁殖しやすくなり、巣を作ってそれが毒素工場になってしまうからです。そこで腸内細菌叢のバランスを整え、同時に体細胞の再生を促せるGAPS食事療法と、姿勢改善ボディ・ワークをバランス良く組み合わせることを思いついたのです。体を壊すのは一瞬ですが、直すのは最低4ヶカ月から数年はかかります。ですから、なるべく体を壊さないように気を付けるのが良いわけですが、この方の便秘のように異常を来してしまった場合は、直ちに改善策を取ることをお勧めいたします。異常は長引けば長引くほど、治癒にかかる期間も長く、必要とされる努力も大きくなってしまいますから。特に赤ちゃんから20歳くらいまでの未成年の場合は、即座に対応されることをお勧めいたします。