医療ビジネスに殺されるな(1)

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エリート嗜好は、薬漬け

ある日、私はうちの旦那さんと彼の友人夫婦と、4人でディナーに行きました。

あちらの旦那さん、自分の薬のケースを取り出しながら、うちの旦那さんに聞きました。
「君は、どんな薬を飲んでいるんだい?」

っで、うちの旦那さん「何も」。
そしたら、あちらの旦那さん、ギョッとして、「何で、何も飲んでいないんだ?」と、叱るんですよ。

うちの旦那さん、「僕、病気じゃないから…」。まるで勝ち誇ったように言ったわけではないんですが、そう聞こえたかも。

アメリカでは、…特にエリート嗜好(本来は「エリート志向」。本物のエリートである必要なし)の人たちは、50歳もすぎたら、薬を飲んでいるのは当たり前なんですね。飲んでいない方が、変なくらい。なぜなら、病気に倒れるのは、「負け」を意味する。病気になったら、その人は敗者なんですね。だから、特に、かつての「がん」のような不治の病や、致死率の高い病気に罹(かか)ったら、その病気と断固闘う!…というアホな事をするんです。(なぜ、病気と闘う事がアホなのかについては、このコラムの中で追い追いお話ししていきます。それにしても、病気に罹ったら自分の体に感謝すべきで、闘うべきではありません)

とにかく、あちらの旦那さんも負けてない!(まるで、「君は間違っていて、僕が正しい」とでも、言わんばかりに)「予防は、どうするんだい? 高血圧とか、高コレステロールとか…?」とか言いながら、絶対に甘いカクテルとデザートがやめられない彼。ちなみに、この夫婦の家ではクッキングを一切しません。奥さまは、本当はキャリアウーマンを目指していたのですが、何せ彼女のご両親がお金持ちで、本人も文句を言っているように、「甘やかされて育ったお陰で、努力できない性格になった…」そうです。Oh my God! ….

(ああ、そうそう、病気は負けなので、負け防止のために予防薬を飲むんですね。結局の所、彼らは内心とっても不安て事です)

彼の薬のケースは横に長い、月、火、水…と、1週間分入るアレですよ。それぞれの曜日に3〜4種類入っているんです。すごい量の化学物質が、毎日、毎週、体に流れ込んでくるわけです。しかも、加工食品や化学調味料などと一緒にね。当然、いわゆる胃酸過多と呼ばれる状態になります。
あっ、この胃酸過多については、そのうちご説明しますが、胃酸を抑える薬なんて飲んだら駄目です。後で、もっと重い消化器系の病気になっちゃいます。

アメリカのディナーのテーブルでは、この薬のケースを皆さんにご披露しながら、食前食後にそれぞれ指定された薬を飲むのが、流行(はや)っているんです。

もう脇には、まるでお母さまか、お父さまの亡霊が立っていらっしゃるようです。そして、彼らの無意識下で行われるリチュアル(儀式)が、恐ろしいくらいに見えるわけです。「僕(私)、チャ〜ンと、お薬飲んだよ」。もう、いかにも、「偉いでしょう? 褒めて〜!」と次の言葉が聞こえるようです。
このエリート嗜好の方々が、誰のためにエリートになりたいのか、もう、勘の良いあなたはお分かりですね? 彼らのお母さんとお父さんのためにです。つまり、マザコンとファザコンって事かな? 結局、現代人たちの多くが、脱皮できず、成長しきれず、大人の体に住む子供たちなんですよ。なぜ人々がマザコン&ファザコンになるのか、また、現代人の薬漬けとマザー&ファザー・コンプレックスの関連性についても追い追いお話ししていきます。

話を元に戻しますけど、この予防にも力を入れているはずのあちらの旦那さんは、さまざまな薬を服用しているわけです。これって、本当に健康なんでしょうか? 言ってみれば、ただの薬漬けです。

これは、「エリート嗜好は、薬漬け」の単なる一例です。

ちなみに、わがカストロ家では、医薬品は一切ご法度です。うちの旦那さんも、結婚当初までは、堂々といろんな薬がメディスン・キャビネットに入っていました。タイレノール、アドビル、咳止めのロビタシン、デイキル、ナイキル、ナサコートなど―。でも、だんだんにやめさせたんですよ。

コレステロールの薬を彼の車の中に、発見した時は大変でした。大げんかになって、その薬をゴミ箱にパッカーンと捨て入れ、「こんなものを飲むようなアホとは、ご一緒できません!!!」って、真夜中に荷物をまとめて家出しました。まだ、結婚する前で、自分のアパートが残っていましたから、ノー・プロブレムです。今、結婚7年目なので、多分あれは8〜9年前の話ですね。

今やコレステロール値を下げる事がいかに間違いであったか、一昨年前のタイム誌の、超センセーショナルな「バターを食べろ!」というタイトルの記事掲載依頼、似たような情報が山のように公開されていますが、その当時は、私みたいな天の邪鬼(じゃく)以外は、コレステロールを下げちゃあいけないなどとは、言いたくても言えなかった時代です。うちの旦那さんも、私と出会う前は健康面の知識は普通のアメリカンでしたので、いわゆるアメリカン・メーンストリームな一般常識を守っていたわけです。そこへ私みたいのと結婚しちゃって、もう大変。でも、今年辺りは2月に引いた風邪も、私の知りうる限り、医者にも行かず一切薬も使わずに耐え忍び、完治させました。

あっぱれ、ダーリン!

私がどうやって、うちの旦那さんを、一般アメリカンエリート嗜好から、本物エリートに脱皮させていったかについても、このコラムの中で追い追いお話ししますね。

取りあえず、薬はやたらと飲まないように。