第八回目「食事と姿勢2」

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第八回目「食事と姿勢2」

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ニューヨークでピラテスを教えていた頃、クライアントさんたちの丸い背中が気になりました。背中に触ると、脂肪太りで丸いわけではなさそうでした。何故なら、その丸い背中の筋肉が異様に硬いのです。「パンパンに張っている」というのが一番合った表現だと思います。腹筋に、大腸、小腸をはじめとする五臓六腑を含めるべきだということに気がついた私にとって、丸い背中の中央に存在する内臓が肺であることを理解するのは、至って簡単なことでした。丸い背中の原因は肺の腫れだったのです。

呼吸に伴う肺の拡張は、胸の膨らむイメージで表現される一般的ですが、肺の伸縮運動の最も大きい部分は背中側にあります。そしてその呼吸という気体の内容物に私たちの食べたものが含まれるのを皆さんはご存知ですか?この事実を知った時、あの丸くて硬い背中が、とても腑に落ちたのです。私たちが食べた物は食道から胃、胃から小腸へと小さな分子に分解されながら移動し、最終的に血管へと吸収されていきます。この後、肝臓でさまざまな加工処理がされ、心臓と肺へ送られます。肺からは、呼吸の一部となって外へ放出されるのです。皆さん良くご存知の便と尿となって排泄されるというのが、もう一方のルートです。砂糖、防腐剤、着色料やMSGなど、食品添加物、加工食品など、肝臓で浄化仕切れなかった人体に有害な食べ物は、肺にまで達してしまいます。肺に送られた毒によって受けたダメージを治そうと免疫が働き、血中を集中させるのです。いわゆる悪い姿勢の代表である背中の丸みは、鬱血した肺だったのです。

前回、腹筋には五臓六腑の筋肉も含まれるという話をしました。背中にしてもお腹にしても、その奥に存在するのは内臓です。この内臓の健康状態が、皆さんの姿勢として現れるのです。適度な運動によって循環が促進され、汚い血が浄化されることによって、一時的に姿勢が良くなったように見えます。しかしながら、悪い姿勢の根本的な治療は、食習慣の改善だったのです。