第二回目「GAPSを学ぼう! – 腸内細菌」
http://www.nyseikatsu.com/api/536/pdf/page08.pdf
本題に入る前にもう一度「GAPS Gut And Psychology Syndrome)」に含まれる症状を復習しておきましょう。
Gutは「腸」、Psychology 「心理学」、Syndrome「症候群」。つまり「腸と心(脳)の関係から来るあらゆる症状」といった意味です。GAPSの症状は子供達の発達障害、学習障害、情緒不安定、自閉症、アスペルガー症候群(ASD)、多動症(ADDまたは ADHD)、統合運動障害、強迫症候群、躁鬱病、双極性障害、喘息、アトピーなどの皮膚炎、摂食障害、癲癇(てんかん)などがあります。
「GAPS」の直接的な原因は、腸内細菌の生態系の崩れです。私たちの体は、パイプのような形にできています。鼻の穴から肛門までの消化器官も、ある意味私たちの外側で、事実上の体内は、この消化壁を超えた所にあるわけです。そして皮膚とこれらの消化器官を含む肉体の外側は常在菌たちでビッチリ覆われているのが健康な状態です。特に小腸、大腸、女性の膣に集中的に住む常在菌を「腸内細菌」と呼び、そのグループを「腸内細菌叢」と呼びます。
この腸内細菌叢は、人体に害のない自然な抗生物質、カビ防止剤、抗ウィルス物質などを生産し、私たちを外的から守ります。また、重金属をキレート(*)し、発がん物質不活性化させる、といった病気になる原因を取り除いてくれます。さらには、様々な栄養素とアミノ酸を食べ物から合成したりと、人間が生きていくために必要な物質を作り出しています。つまり、これらの「腸内細菌叢」なしに私たちは生きられないのです。そして最も恐ろしいのは、「腸内細菌叢」が健常ではない場合、食物繊維を含む全ての侵入物が毒になってしまうということです。
*キレート=複数の配位座を持つ配位子(多座配位子)による金属イオンへの結合