第二十二回目「ビタミンA と胎児の発達」
www.nyseikatsu.com/api/616/pdf/page08.pdf
ビタミンAが大切な栄養素であることは、皆さんも良くご存知でしょう。しかし、「本物の」ビタミンAは動物性の食物にしか入っていないことをご存知でしょうか?
ビタミンAを多く含む食品は、バター、クリーム、卵黄、魚卵と、レバーのような動物の内臓です。え?ニンジンは?トマトは?と、思いましたか?これらの野菜や果物に特徴的な鮮やかな色を作っているのはベータカロチンという物質で、ビタミンAではありません。
五体満足な赤ちゃんを産むには、妊娠中の母親のビタミンAの摂取が必要不可欠です。「アメリカに栄養価の高い食事を戻そう!」という理念の下に、今や1万5000人を超える会員を集めるアクティビスト団体、ウェストンプライス財団のニュースレターに「ビタミンAと胎児の発達」という記事が掲載されています。この記事の著者であり脂肪の研究で有名なメアリー・エニグ博士は、ミシガン州立大学食栄養価学部のメイジャ・H・ザイル氏の論文、「胎児発育におけるビタミンAの役割について」を紹介し、妊婦のビタミンA不足が、胎児の発達異常の原因になると警告しています。
妊娠2〜3週目頃にビタミンAが不足すると、胎児は心臓の発達異常に耐えきれず、流産を起こしやすくなります。また、心臓、中枢神経、循環器系、泌尿生殖器系、呼吸器系、そして頭蓋骨、骨格、四肢の発達に影響します。ビタミンAは中枢神経が司る視覚系統、網膜、内耳、脊髄、胸腺、咽頭近く/鰓弓(さいきゅう)を含む頭蓋顔面部、甲状腺、副甲状腺などの発達に要となる役割を果たしているので、ほんの少しの足りないだけでも、抽象神経系の繊細な発達過程に支障を来すとされています。妊娠中期においては、胎児の肺の発達に必要となります。また、サルク研究所の研究員は、ビタミンAが発育の初期段階に受ける左右対称の指示の影響を和らげ、細胞が左右対称に発達し、その結果、右側が左側より短くなってしまうのです。
これから赤ちゃんを授かりたい皆さん、今、何を食べるべきかをよく考えていただけたらと思います。