第十一回目「GAPS食事治療– 6」
ケース・スタディ2.「アトピー性皮膚炎 –2」
前回の最後に「アトピーという症状は、一種の好転反応であるからです。」書きました。
抗生物質の大量生産が可能になって以来、全ての症状が悪い病気とされ、徹底的に症状自体を抑制してしまう治療が主流となりました。でも、その症状の多くが、実は体毒を浄化する人体の自然な働きによる好転反応なのです。塞き止められ溜まりに溜まった毒が、免疫不全系の病気や内臓の不全といったいわゆる不治の病の原因です。アトピーはその一つです。
治癒には、これ以上毒を入れない事が大切なのですが、空気中には沢山の毒(黴菌、カビ、重金属、その他の埃など)が存在します。つまり生きている事自体、毒のプールの中を泳いでいるような物なので、これらの毒を一掃するのは不可能に近いわけです。母なる自然は、腸内細菌を含む常在菌という、目に見えない要塞の中に私たち人間の健康が守られるよう素晴らしい配慮をしてくれたのです。この常在菌の不在、または不健康状態がアトピーを含む免疫不全の原因ですから、それらを自分の内外に再構築する事が、最優先という事になります。常在菌は生き物ですので、一度構築したらそれで一生OKというわけにはいきません。ですから、常に常在菌を再生し続ける事が出来るライフ・スタイルを築かなければなりません。
御自分で始められる事は、1.さらに常在菌を壊さないために、a)加工食品を避け、自分で調理して食べる、b)石鹸、歯磨き粉、シャンプー、保湿剤、消毒剤、洗濯用剤など、常在菌を殺す物の使用を避ける、c)医薬品に頼らない。2.常在菌(特に腸内細菌叢)と体内外の組織と機能を癒すための基本4食品、a)骨から作ったブロス、b)放牧鶏の卵、c)24時間以上発酵の自家製ヨーグルト、d)自家製サワークラウト、またはピクルスを食べる。但し、アレルギーがある場合は、それらの物を避ます。(「衣、住に関する自然療法」、及び全ての必須レシピは、私共のホーム・ページを御参照ください。)3.体毒の浄化を促進するために、a)姿勢を改善する、b)人生における緊張とリラックスのバランスを整える。心身共に緊張の解けない部分があると、治癒し難いのです。
自然療法を行うさいに注意していただきたいのは、治癒過程で、病気が悪化したように見える好転反応が起こる事です。人生において、必要悪から学ぶべきを学ばなければ、善を作り出す事は出来ないのです。