第八回目「GAPS用、食事治療 – 3.」
自閉症に代表される子供達の発達障害、学習障害と情緒障害、躁鬱病、統合失調症、アレルギー、喘息、アトピーなどの皮膚炎、摂食障害、癲癇などのGAPSは、腸の状態が原因ですので、それに適した方法で治さなければなりません。腸内細菌叢の生態が壊され、小腸上皮のシステムが崩れ消化・吸収不良になっている彼らに一番消化しにくい食べ物は、植物性の食物です。そして、壊れた腸やその他の組織を治すのに必要な主な食べ物は蛋白質です。人間にとって最も高品質で、最も消化しやすい蛋白質は、肉、魚、卵、乳製品といった動物性食品に含まれています。GAPS患者の場合、基本的に動物性の食べ物の方が、植物性の物よりも安全である事を覚えておくと良いでしょう。その良い例が、甘味です。甘味の中でも、白い砂糖は私たちの体内でのカンジダ菌の増殖を促進してしまいますので、GAPS患者でなくても取るべきではありません。それ以外の自然な甘味の中でも一番安全とされ、GAPS患者に許されているのは動物性の生蜂蜜だけなのです。メープル・シロップや、アガベといった植物性の物は、全て避ける必要があります。もちろん生蜂蜜でも、取りすぎは駄目です。
GAPSの食事治療に必要な基本的な食べ物は、1.自家製チキン・スープ、2.自家製ヨーグルト、3.放牧鳥の卵、4.動物性脂肪(バター、ギー、ラードなど)5、自家製サワークラウトとその他の醗酵野菜です。
まずこの5つの食べ物の接種量を、一日の食事に中に取り込み、その量を少しずつ増やしていく事をお勧めします。そして外食や出来合いの食事を出来るだけ減らし、なるべく御両親が調理する事が大切です。何故ならMSGを始めとする食品添加物が、上記に上げた症状を持つお子さん達にとって、非常に危険な物になるからです。出来れば動物性の食物はホルモンや抗生物質の入っていない物にし、魚で養殖物を避け、野菜は有機の物を使うようにしてください。残念ながら、こういった安全な食べ物はとても高価です。GAPSの長期的な食事治療には、財布とも相談しながら上手にバランスを取る事も必要でしょう。
また、市販の食品を利用する場合は、良く原材料のラベルを確かめ、砂糖、アミノ酸系調味料や、その他カタカナで発音出来ないような物質が書いてある場合は、避けてください。NYにお住まいであれば、マンハッタン中にグリーン・マーケット(http://www.grownyc.org/)が網羅していますので、御利用になると良いでしょう。
自家製食品のレシピは、ブログ(日本語)を、必要な材料についてはウェブサイト(英語版)のリンクを御参照ください。