第九回目「GAPS食事治療 – ケース・スタディ1.「スピーチ・ディレイ」」
今回は、GAPSの症状の一つ「スピーチ・ディレイ」について、私の経験をお話します。
話す時に躊躇する、きちんと発音できない、モゴモゴいう、吃音する、親のいう事への反応が鈍い、(酷い場合は)無反応など、症状は個人差があります。これまでに私が見せて頂いたお子さんは、1歳半から10歳前後です。またいずれのケースも、GAPSの食事療法で改善がみられました。年齢が低ければ低いほど完治度が高くなり、治っていく経過も簡単で早いです。また、年齢が高くなればなるほど、他の症状も多岐にわたって併発しているケースが増えます。最近伝染病の勢いで増えるアトピー皮膚炎に始まって、便秘と下痢を繰り返す、始終風邪をひく、多くのアレルギー反応、注意散漫、行動が遅い、体力がない、学力が育たない、オドオドして見えるなどと、身体の事から心の事まで様々です。
いずれのケースにも共通なのは、始めてのセッションでお目にかかった時に、お子さんたちのお顔や頭部が腫れている事です。特に口や鼻の中の腫れが、神経や皮膚を圧迫しているのは一目瞭然です。それが原因で、周りの音がはっきり聞き取れない、つまりあるべきペースで学べていない事が解ります。音の伝わりは波動ですので、もし顔や頭の中が腫れていたら、当然御両親の声も良く聞こえませんし、聞こえても発音やイントネーションをきちんと聞き取るのはかなり難しくなります。子供達は、人生の初めに、親をまね真似る事で、人間らしい行動を学ぶのが自然の法則です。もし声の出し方や発音の仕方などが、はっきり伝達されなければ、聞こえたように真似るしかないという事になります。私の経験では、「スピーチ・ディレイ」は、口の使い方の問題以上に、耳の機能が腫れによって塞がれているのが原因だと思います。
何故なら、私のクライアントのケースでは、食事療法を進めていく中で、腫れがおさまって行くのと同じペースで、ゆっくりではありますが、確実に進歩が見られたのです。2歳前後、あるいは幼稚園前くらいの小さなお子さんであれば、食事療法だけであっという間に健康な子供達のペースに追いつきます。さらにその後は他のお子さんを越え、幼稚園にはいる頃には、クラスで一番良く喋るやんちゃな子に育って行くのです。
GAPSのお子さんたちは時間と共に、多くの症状を併発していく事がよくあります。その中で「スピーチ・ディレイ」は、これから現われてくるかもしれない多くの他の体調不良の氷山の一角である事が多いです。年齢と共に良くなるだろうと、放っておくのは懸命な策とは言えません。もし御自分のお子さんのコンディションに気がついたのであれば、一刻も早く専門家に相談される事をお勧めいたします。