もう一つ、アンドリュー・ウェイクフィールド博士とその周辺の事についてまとめた記事がありますので、ご紹介します。
(翻訳:阿部里果)
「ワクチン接種と自閉症 覆い隠された真相 – 真実を伝え、キャリアを失った医師の悲劇」
2014年に最も世間を騒がせたのは(マスコミが報道したがらないニュースの中での話しです)、米疾病管理センター(CDC)のウィリアム・トンプソン博士による内部告発ではないでしょうか。ワクチン接種と自閉症の関連性を示すデータを、CDCが隠蔽したと証言したのです。(関連記事:「CDC関係者が内部告発 アフリカ系アメリカ人男児におけるMMRワクチンと自閉症の関連性をCDCが隠蔽」http://healthimpactnews.com/2014/cdc-whistleblower-cdc-covered-up-mmr-vaccine-link-to-autism-in-african-american-boys/)今もなお、この証言に関する議論が続いています。
この隠蔽には多くの人が関わっており、彼らの責任が追求されることはほぼ間違いありません。刑事告訴の可能性もあります。しかしその一方で、この分野において素晴らしい功績を残した人もいます。それは、アンドリュー・ウェイクフィールド博士です。マスコミは彼に深く謝罪しなければならないでしょう。
ウェイクフィールド博士は、世界的に有名な消化器科医です。優秀な研究者でもあり、自閉症の子供達に頻繁に見られる腸疾患の発症とMMRワクチン接種との関連を示した論文を発表しました。しかし、その論文を博士が不正にねつ造したという批判が巻き起こり、責任を追求されてしまったのです。博士は、ワクチン接種反対派ではありませんでした。医師として、ワクチン接種の安全性に関心を持っていたのです。そして自身の研究の結果、麻疹、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)、風疹の三種混合ワクチン(MMRワクチン)の安全性に問題があるという結論に至ったため(多くの医師がこの結論を支持しています)、三種混合ワクチンの接種を避けた方が良いとアドバイスしていたのです。ワクチン接種を止めるように勧めたわけではなく、この三種類の病気に対し、一種類ずつワクチンを接種することを勧めたのです。
しかし、このアドバイスが問題となってしまいました。安全なワクチンを子供に接種したいと願う両親にとっては最善のアドバイスだったのですが、MMRワクチンメーカー(メルク社)にとってはそうではなかったのです。博士が論文を発表して以来、イギリスではMMRワクチンの売り上げが減少していたからです(実際は減少するばかりでなく、一種ワクチンの売り上げは一時的に増加していたのですが)。
MMRワクチンと、腸疾患や自閉症との関連を示した博士のこの論文は、当初ランセット誌に掲載されました。しかし、ブライアン・ディアというジャーナリストが、博士の不正を追求した批判記事をブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMG)に発表し、それを受けて、ランセット誌が博士の論文を撤回してしまったのです。博士と論文の共著者であるジョン・ウォーカー—スミス教授は、英国医事委員会の規制局に医師免許を剥奪されてしまいました。
しかしこの騒動には、マスコミが報道していない事実があります。それは、BMGとランセット誌が、MMRワクチンメーカーと金銭的に強いつながりを持っているということです(関連記事:「BMGとランセット、社会人向け医学教育でメルク社と提携」http://ahrp.org/bmj-lancet-wedded-to-merck-cme-partnership/)。もう一つは、論文の共著者であるジョン・ウォーカー—スミス教授が、その後大金をはたいて控訴し、英国医事委員会を相手に勝訴したということです。(http://healthimpactnews.com/2012/british-court-throws-out-conviction-of-autismvaccine-md-andrew-wakefields-co-author-completely-exonerated/)教授は完全に無罪放免となったのです。
その一方で、アンドリュー・ウェイクフィールド博士は、研究によって明らかになった真実に従って行動しただけなのに、キャリアと名声を失うことになってしまいました。そして、マスコミが徹底的に叩くのに都合の良いスケープゴートにされ、罪を着せられたのです。マスコミの大々的な批判によって、今や誰かがワクチンと自閉症の関連について口にすれば、「その理論は完全に間違いだと証明されたよ。論文をねつ造したやつは、詐欺で起訴されたんだ」という言葉が必ず返ってきます。中にはソーシャルメディア上で、「そいつ」(皆、大体名前を知らないのですが)が刑務所に入れられたと言っている人もいます。
実際には、陪審や裁判所で博士が起訴されたことは一度もありません。しかも彼は今、アメリカに住んでいます。自分を批判する人達に向け、公共メディアで直接議論したいという挑戦状(http://healthimpactnews.com/2013/dr-andrew-wakefield-issues-challenge-to-public-debate-over-u-k-measles-outbreak/)を以前発表しましたが、案の定、受けて立つ人は一人もいませんでした。博士は、消化器系分野のトップレベルの専門家です。今、この分野において、彼のような優秀な専門家が研究を進めることが急務となっています。現代社会では、ワクチンだけでなく、抗生物質、農薬といった様々な要因が私達の消化能力を低下させ、様々な腸疾患を引き起こしているからです。Facebook(https://www.facebook.com/notes/andrew-wakefield/dr-andrew-wakefield-publications-a-bit-more-than-just-that-paper/520913861304935)に掲載されている博士の論文一覧を記事の最後に記載しましたので、参考にしてください。
ウェイクフィールド博士と直接つながりがあった人達は、博士のことをどう見ているのでしょうか。それは、この記事を読めば分かります(http://healthimpactnews.com/2013/parent-of-two-children-in-dr-andrew-wakefield-lancet-study-speaks-out/)。「ねつ造された」と言われている例の研究に協力した2人の子供の両親が書いたものです。ウェイクフィールド博士は以前、イギリスで子供達の診察にあたっていました。両親の話しをよく聞きながら、子供達の複雑な健康問題を解決するために力を尽くしました。評判は非常に良く、1990年代にその実績がイギリスでドラマ化され、テレビで放映されたほどです。最近また、このドラマがYouTubeにアップロードされましたので、興味がある方はご覧ください。(https://www.youtube.com/watch?v=FkYGSGKI16Q)
現在のマスコミは、権力者の言いなりになっています。そして、医師は皆、ワクチン賛成派か反対派のどちらかに分かれていて、反対派は全員「いんちき医師」だと報道しています。しかし、この報道を含め、現在のワクチン論争は真実からかけ離れてしまっています。実際にはワクチン科学に関する医師の考えは一人ひとり異なり、賛成派と反対派にはっきり分けられるものではありませんし、ワクチン接種など、医療行為の前に行うインフォームドコンセント*を取り払うべきかどうかについても、様々な考え方があります。
最も極端なのは、ワクチンには100パーセント反対で、絶対にワクチン接種を行わないという考え方と、ワクチンは全て安全で、全員に対して常に効果があるのだから、必要があれば絶対に接種を受けさせるべきだという考え方ですが、そういう極端な考え方を持つ医師は実際にはほとんどいません。にもかかわらず、アメリカ政府とマスコミは、この全面的にワクチン接種に賛成する考え方が、現在の医療業界の主流だと報道しているのです。
現役の医師に聞けば、自分の見解はその両極端の中間だと答える人がほとんどでしょう。自分は「ワクチン賛成派」だと言う医師でも、全てのワクチンが全員に対して安全だと考えている人は少ないのです。
患者の状態に応じてワクチン接種の延期を勧める医師も多く、CDCが全ての児童をひとくくりにして作成した接種スケジュールを、常に守っているわけではありません。中には、科学研究で明らかになった事実と各ワクチンのメリットを考慮しながら、推奨ワクチンを決めている医師もいます。彼らはあるワクチンは勧めても、危険性が疑われているインフルエンザワクチンなど、子供にとってそのリスクを冒すほどの利益が無いと判断したものは勧めません。
現在、政府がワクチン接種を義務づける動きや、宗教や個人の信条によってワクチン接種が免除される制度を廃止する動きが進んでいますが、全面的にワクチン接種に賛成している医師は少なく、多くの医師がこの動きに反対するでしょう。
ワクチン全面賛成派は非常に少数なのです。にもかかわらず、医薬品業界、連邦政府、マスコミは、それが主流だと私達に信じ込ませようとしています。ワクチン全面賛成派でない多くの医師達のことを電子書籍にまとめていきますので、是非お読みください。
* インフォームドコンセント:医師が病状や医療行為の内容を正しく患者に伝え、患者がそれを納得・同意した上で医療に参加すること。
(翻訳文中のリンクは、オリジナル英語版からご覧頂くか、リンク先アドレスをサーチボックスにタイプしてください。)
以上は、Health Impact News に掲載された、「The Vaccine Autism Cover-up: How One Doctor’s Career was Destroyed for Telling the Truth」の日本語訳です。