2つの脳 2.
「2つの脳」の続きです。
ガーション博士の「セカンド・ブレイン」からの抜粋の中で、私が赤字にした部分について、解説します。
1.腸は心臓よりもずっと賢く、豊かな「感情」をもっているのである。
先月の真ん中あたりだったと思いますが、ある朝、日本の番組をテレビで見ていたら、朝の連続テレビ小説?のプロモーションで、塩職人役の田中民さんがインタヴューを受けていました。 その中で、彼が「・・・頭の方が身体より馬鹿だから・・・。」とおっしゃっていました。私も良くうちのクライアントたちに同じ事を、言うんですねえ。 私も舞踏家の大野一雄の弟子ですし、もとはマーサ・グラハム系のダンサーなので、彼と共有できる物があるんですね。 このインタヴューの間の彼の言葉全てが腑に落ちました。 光栄です。 舞踏については、いつかまたの機会に少しお話してみたいと思います。
ガーション博士は、心と言う意味で心臓との比較を使っていますが、要するに心臓よりも、頭の方の脳よりも、第二脳である腸の方が賢く、情緒豊かという事です。この腸を主とする内蔵の辺りの組織をVisceralと英語で呼びますが、これを日本語に訳すと「内臓の、腸の」と言った意味のほかに、「直感的な、本能的な、心の底からの」と言った意味もあるのです。
頭で考えた事と、腑に落ちる感覚と、どちらが自分の本質に近いか、明らかですね。
2.脳や’脊髄からの指令がなくとも反射を起こせる内在神経系を持っている臓器は腸だけなのだ。
はい、これが、皆さんが2人の自分が内在する感覚に陥る主な原因ですね。脳の方は、「ああでもない、こうでもない・・・。」と右往左往するわけです。でも、そうして馬鹿な脳がマゴマゴしている間に「直感的な、本能的な、心の底から」の自分の答えは、第一の脳とは関係なく出てしまっているんですね。 ああ、もうちょっとイメージしただけでも、頭の脳で行動する人の自信のなさげな、情けな~い感じは、ここから来るんですね。
ラスト・サムライという映画を覚えていますか? トム・クルーズ扮する主人公アルグレンさんが、真田広之(実は、大学の同窓です。でも彼の方が、ちょっと先輩ですね。)が扮する指導役に剣の手ほどきを受けるシーンの中で、コテンパンにやられてしまうのですが、ラスト・サムライの息子が 「too many mind…」、つまり「頭で、考えすぎだよ。」と教える場面があります。
このチンタラしたお馬鹿な脳みそに人生をリードさせた日は、特に瞬時に応用力を求められる非常時(ストレス下)では、すでに貴方の存在は存在しないかもしれないという事ですね。まあ、戦時下でもない限り、死んでしまう事にはならなくても、貴方の能力は発揮されないし、能力が発揮出来なければ、貴方という存在の価値が認められる事も難しいという事です。 いかがですか? 身に覚えのある人が、いるのではないですか?