「人生に成功する秘訣 １．」の続き。
「ないない尽くし」が、全て満足してしまったからです。
何も無かった時は、何かを手にしようと無我夢中でした。そうして徐々に、持ち物が増えていきやっと人間らしい人生が送れそうだと安心できるレベルに達した時に、人生に行き詰まってしまったのです。言い換えれば、人生における問題が全て解決してしまった時に、不満足感を感じるようになったと言う事です。
今わたしは、人生の壁（病気も人生の壁です。）にぶつかって前進できずに悩む方々の相談を受ける仕事をしています。人生の問題を解決できずに悩む人が多い中で、問題が全て解決して悩む私のような変な人も中にはいるのです。
人生の壁にぶつかって、先に進めないまま死を迎える人の特徴は、「ああすれば良かった。」、「こうすれば良かった。」と、後悔と罪の意識に苛まれて前進できずに、人生の後半を台無しにしてしまう事だと思います。 私の父が亡くなるまでの後半の人生そうだったので、後悔に生きるとどうなってしまうか良く知っているのです。
彼が「こうなっては、いけない！」というお手本を示してくれたお陰で、私はそうならない人生を目指す事ができているのだと思います。 それに気がつくまでは、後悔に生きる父を心の底から受け入れる事ができずに悩みました。彼が弱虫に見えて、悲しかったのです。誰だって自分の父親には、理想的な強い人であって欲しい物ですからね。でも、彼が身を持って教えてくれた事の有難さを良く理解できるようになってからは、彼と彼の人生の素晴らしさに感謝できるようになりました。 ああ、そういう人生もあるんだなっと、腑に落ちたのです。 そういう「負けの人生」を受け入れて生きる事も、もしかしたら「勇気」なのかもしれないと気がついたのです。
それに気がついてから私の人生は、自信を持って「後悔を恐れる人生」となったのです。言い換えれば、「前進あるのみの人生」になったのです。
初めて人生の壁にぶつかってしまった時は、こういった事を今のように明確に理解していたわけではありません。でも、その時の不満足感は、私にとってはとても大きな問題に思えましたし、絶対に超えなければいけない壁である事は確かでした。
今振り返ると、良くても悪くても、私のこれまでの人生に起こった全ての事柄が、自分の「今」を築いていくのに必要なレッスンでした。
（続く）
