私のオフィスは、100年以上も存在するオンボロビルの中の超アンティークな小さな部屋です。もし、オフィスのレベルで成功しているかどうかを決めるなら、とても成功しているようには見えません。実際、私が成功しているか否かは、見る人によって違うと思います。
日本に住んでいた最後の何年間かは、「ニューヨークに住む」がゴールでした。もちろん「もしやっていけるようにならなかったら、どうしよう?」といった不安も頭の片隅にありました。なんといっても、お金もない、知り合いもいない、英語もできないのないない尽くしで、ニューヨークへ来てしまいましたから。
でも「ニューヨークに住む」と言うゴールに達したら、その後はもう、私が前進していくというより、未来から次々に人生のプロジェクトが自分に向かって来るようになったのです。 「ああ、これがやりたい」、「あれが、やってみたい」と興味がわくところから始まって、やり遂げるまでが一つのコースだとして、あるコースの終わりには、もう次ぎのコースが始まる気配を感じます。そして気がつくと、その次のコースの中にいる。迷って立ち止まっている暇などありませんでした。
一度だけ、壁にぶつかって前進できなくなった事があります。2002年に、汚い雑居ビルの小さなオフィスから新しくて綺麗なオフィスに、その当時の私のビジネスだったピラテス・スタジオを引越した頃です。私自身以上に、クライアント達が「私が成功している」と感じたようでした。彼らからいろいろなコメントを貰いましたから解りました。目に見えて解る形で、急に進歩したように見えたのでしょうね。数人のクライアントからの声には、彼らの驚きが感じられました。1990年にニューヨークに引っ越してからちょうど12年後の事です。
そうして周囲の目が「Makikoは、成功している」になった直後、ニューヨークに引越して以来始めて、人生に行き詰まりを感じたのです。初めて、何をしても満足できない自分を感じました。 何故、それまでのような満足感を得られないのか、もう不思議で不思議で・・・その不満足感の原因を追究する事に決めたのです。そして約1年経ったころ、その原因に気がつきました。
(続く)