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M: すごいですね。私は日本生まれなのですが、一つ質問があります。日本では、気候が原因で、牛を飼育するのがとても難しいと言われています。それについてどう思われますか? 日本はご存知の通り、細長い島です。ですから北の地域はより北らしく、南の地域はより南らしく、気候が全く異なります。私がクライアントたちを診てきた経験からも、日本で良質のミルクを探すのはとても難しいと思いました。ミルク自体の問題なのか、ミルクが工業的な処理を受ける途中で何かが添加されているのか、分かりませんが。例えば、生乳から作られているはずのヨーグルトに、オリゴ糖が添加されているものがありました。その他にも、忘れてしまいましたが・・・、何かが添加されています。
B: そう、それなんです。そういうことが市販の商品には起こるのです。皆、脂肪のことを気にしています。脂肪を摂ると太ると思っています。それは、全くの嘘です。良質の脂肪は私達の生命にとって非常に重要ですし、私達の体重を減少させる要素は、脂肪の中にあるのです。皆、CLA、つまり共役リノール酸(Conjugated Linoleic Acid)が体に良いと思っていて、それを摂取したいと思っています。それがどこにあるかと言えば、脂肪の中です。ところが・・・また業界標準の話に戻りますが、業界は商品を売ろうとして、低脂肪商品を作っています。脱脂してしまうのです。でも、舌触りを良くし、乳化を起こす要素が二つあるのですが、それがクリームと糖です。ですから、脂肪、つまりクリームを除去してしまった場合、それを糖で補わなければなりません。あなたがおっしゃったことはこのことだと思います。お店で売られているヨーグルトで「低脂肪」と書かれているものを見てください。小さいカップのヨーグルトに砂糖が35グラム以上も含まれていることが分かります。膨大な量ですよ。加熱殺菌されたスキムミルクを飲んでいる人を見てください。彼らは太っています。それは、彼らが砂糖水を飲んでいるのと変わらないからです。
M: 砂糖水!
B: そうですよ。脂肪の中に体重減少要素が含まれているのに、スキムミルクはその脂肪を全て除去してしまい、その上、加熱殺菌もするのですから。そうした後に残るのは・・・、全ての酵素を殺し、ミネラルを殺し、ミネラルを非活性化します。そしてその後に残るのは、ミルクに含まれる水と、ラクトース、つまり糖です。スキムミルクが言ってみれば砂糖乳、いや、砂糖水だというのは、このためです。
M: 興味深い話ですね。それから、発酵についてもお話してくれましたね。A1でしたか・・・。
B: はい、ミルクの発酵・・・、A1とA2では少し(性質が)異なります。A1、A2は基本的に・・・、乳蛋白は、206のアミノ酸が結合する事で構成されています。そして、66番目の結合箇所が、一重結合と二重結合の二種類に分かれます。A1は一重結合、A2は二重結合です。ミルクの消化に関して過敏な人は、A2の成分を選ぶ必要があります。でないと、アミノ酸の尾が分離し・・・、一重結合は二重結合よりも分離しやすいので、消化が終わらないうちに腸壁を超えて血中に吸収され、β-カソモルフィン 7と言われる物質が体内に入ります。これが、ミルクを飲んだりした時に、痰のような粘液が出る原因です。その66個のアミノ酸の尾が分離し、血中に入り、モルヒネが体内に入った状態に近い反応が起こるからです。私が見てきた中でも非常に稀なケースですが、A2でない生乳を飲んだ時に、加熱殺菌をしたミルクを飲んだ時と同じような問題が起こる人がいます。乳牛が伝統種だったり、原種の流れの血統であれば、大体A2のはずです。ですから、ジャージー種ならほぼ大丈夫でしょう。ホルスタインや白黒の牛の場合は、一重結合のA1乳である可能性が高いです。先ほども言いましたように、稀なケースではありますが、実際にこういった問題が起こる人もいます。それから、発酵についてでしたね。私達が作る発酵商品の一つがケフィアです。ケフィアを作り始めたのは、父の大腸炎がきっかけでした。ケフィアは細菌と酵母菌の共生関係です。
M: 細菌と酵母菌の共生ですか。
B: 私達の体内に細菌と酵母菌が共存しているのが、良い状態です。どちらかの状態が崩れた時に、問題が起こり始めるのです。ケフィアはとても良い食品です。細菌だけでも酵母菌だけでもなく、両方を共に使う事で、腸内細菌叢の状態を回復するからです。私達はケフィアを24時間から、36時間、48時間まで発酵させます。発酵時間は気温によって変わります。ですから、この季節であれば24時間、冬は48時間発酵させます。
M: なるほど、面白いですね。
B: そして、更に発酵させると、酵母菌の作用が更に発現し、炭酸飲料のようになります。瓶を開けた時にプシューと音が鳴りますよね。ガスが中にたまって、炭酸を含んでいるようになるのです。私達は、それが起こる直前で発酵を止めます。チーズ、ヨーグルト、ケフィアなど全てに言えることですが、家に持って帰った後に、自宅で更に熟成させることができます。冷蔵庫から出しておくだけです。 華氏70度の環境で、そうですね、更に12時間ほど放置すれば、炭酸化、つまり酵母菌優位の反応が発現するといった具合です。チーズでも同じことです。冷蔵庫から出して、華氏55度か60度の環境で1週間放置すると、シャープチーズが出来上がります。全て生きた食品だと言えます。生乳も生きていますし、生乳チーズも生きています。ケフィアも生きています。生きた食品は全て変化し続け、違う食品に姿を変えます。ですから、生乳には品質保持期限がありません。加熱殺菌乳には期限があり、その日を超えると腐った臭いと味がします。生乳には賞味期限がありません。ただ、違う食品へと姿を変えるだけです。あまり長期間になると味が悪くなるかもしれませんが、必ずしも体に悪いものではありません。
M: とても面白いですね! あなたはその全ての知識をどうやって身に付けたのですか?
B: それはただ・・・、何年も・・・
M: お父様と一緒に働いて身に付けたのですか?
B: そうですね・・・。
M: とても素晴らしい事ですね! では、このビデオをご覧になっている人と全ての人に向けて、生乳の生産者として何かメッセージはありますか?
B: そうですね、私がこれを観ている人に言えることは・・・、生乳だけの話ではないということです。考え方を根本から変える必要があるということです。あなたに起こっている問題を癒すための方法は、全て自然の中にあります。そういう考え方を身につける事が大切なのです。自然に存在するものは全て、自然状態のまま、保たなければなりません。卵なら、卵全体、つまり卵黄も卵白も一緒に食べましょう。生乳なら、クリームを除去せず、加熱殺菌せず、均質化処理もしてはいけません。全ての物を、自然が授けたそのままの形で扱うのです。そうすれば、良いスタートを切れます。これが、基本だと言えます。もちろん、他にも色々な問題があって、もっと極端な手段を選ばなければならないこともあるでしょう。ですが、全体的に見て、神様と地球が与えたままのものを食べていれば、良い状態を保てるのです。
M: 素晴らしい! ありがとうございました。