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牧子(以下M): こんにちは、牧子です。私は、Makikoメソッドの創始者です。今日は、バーチウッド・ファームからミルクのお話をお届けします。こちらは、このファームのオーナー、マイクさんです。彼にミルクについてお話して頂きます。こんにちは。
マイク(以下B): こんにちは。
M: 今日はお時間を頂き、ありがとうございます。先ほどミルクの加熱殺菌、均質化処理(ホモジナイズ)について、またそれらと生乳との違いについて教えて頂きました。もう一度、話して頂けますか?
B: はい。基本的には、ミルクを加熱殺菌すると、・・・生乳には60種類以上の酵素が含まれているのですが・・・、
M: 60種!の酵素ですか。
B: 60種以上です。これらの酵素はそれぞれ、ある温度での基質特異性を持っています。そして加熱殺菌で温度を上げていくと、ラクターゼからラクトペルオキシダーゼまで、様々な酵素を全滅させてしまいます。M: ラクトペルオキシダーゼ・・・。日本人には、発音の難しい言葉ですね。
B: 生乳なら乳糖不耐症の人でも、問題無く飲めます。ミルクに含まれるラクトースが、ラクターゼ酵素によって分解されるからです。そして、熱で酵素が破壊されず、ちゃんと残っているからです。
M: 面白いですね。
B: また均質化処理というのは、ミルクを燃料噴射器にかけるようなもので、脂肪球が壊れ、約0.5ミクロンにまで小さくなります。非常に小さな粒なので、消化プロセスを経ず、腸壁からそのまま血中へと吸収され、アレルギー反応を引き起こします。体がそれを攻撃し、アレルギーが起こるのです。ですからアレルギーの人でも、均質化処理をしていないミルクを飲めば問題は起こりません。
M: なるほど。多くの人が乳不耐症であると言われていますが、実は生乳を飲めば、それは真実ではないのですね。
B: 全ての物を自然が望むまま、自然が意図したままの状態に保てば、大抵問題は起こらないですよ。
M: 非常に興味深いですね。分かりました。それから、均質化処理についてですが、均質化処理はミルクの良さを台無しにしてしまうとおっしゃいました。
B: そうです。均質化すると、脂肪の全体性が損なわれます。そのわけは・・・、加熱殺菌は大昔から行われています。ルイ・パスツールが開発したのですが、もともとミルクのためではなく、ワイン製造のためでした。そして我々現代人が、ミルクにも利用するようになったのです。何故かは分かりませんが。対して均質化処理は、ビジネス上の理由が発端だったと言えます。何故なら当時は、牛乳配達の車がそれぞれの家のドアの前に、牛乳の入った瓶を配っていました。そのすぐ横に、競合の牛乳屋が彼らの牛乳を1瓶置きます。朝になって、その家の人がミルク瓶を取りに行き、瓶を持ち上げて表面にできたクリームの層を比べます。それまで買っていたものより、競合のミルクの方がクリームの層が厚いと、競合の牛乳屋に乗り換え、そちらからミルクを買うようになります。このようなことが起こらないよう、ミルクを全て均質化処理にかけ、クリームが分離しないようにするのが業界標準になったのです。そうすると、クリームの層の厚さの違いを見分けられないからです。ですが、これを行うと、脂肪球が非常に小さい粒にまで破壊され、消化プロセスを経ず、血中へ吸収されてしまうのです。
M: 誰がどのようにして始めたのですか?
B: 詳しくは分かりません。
M: オーケー。
B: 均質化処理は、業界標準となりましたが、法律では義務づけられていません。ですが、加熱殺菌に関しては、アメリカ合衆国のほとんどの州で、義務づけられています。ですから、加熱処理をしても、均質化処理はをしないということもできます。ペンシルバニア州は幸運な州の一つで、許可を取れば、加熱処理も均質化処理もしていないミルクを売ることができます。
M: そうですね、ニューヨーク州やニュージャージ州などでは、生乳を手に入れるのが非常に難しいです。ニューヨーク州では、農家に直接行けば売ってくれます。でも、そうしなければ生乳を入手できません。闇市場もありますが、難しいですよね。
B: そこが問題です。私達は「自由な社会」に住んでいるはずなのに、(生の)ミルクを飲めないのですから。つまり、州によっては禁制品なのです。でも、そこで何が起こるかと言えば、人々はそれでも生乳を手に入れる方法を見つけます。しかし、それでは検査も規制も監視体制もありませんから、誰かが適切に処理されなかった生乳を飲んで具合が悪くなると、生乳業界全体の評判が落ち、非難されます。
M: でも、加熱殺菌や均質化処理をする場合も、結局は人がそのミルクを処理するのですから、間違いは起こり得るわけですよねえ。つまり生乳だからだめで加熱殺菌乳だから良いとは、誰にも言えませんよね。
B: 実は、病気の発生件数で見ると、加熱殺菌商品によるものの方が、生乳の場合より多いのです。あるケースでは、生乳が原因だと結論付けられそうだったのですが、その具合が悪くなった人が、リステリア菌やカンピロバクター菌が発生したステーキレストランで食事をしたことが分かった事がありました。こういった多くのケースで、疾病の原因が生乳農家であったかどうかに関する発言を、彼らは撤回しなければなりませんでした。もし、生乳を飲んだ誰かの具合が悪くなり、他にも多くの人が同じ生乳を飲んだとしたら、それは困った事になりますよね。そして本当にその商品が原因だとしたら、飲んだ全員が体調を崩すはずですよね。でも、具合が悪くなった人達の状況はは、それぞれ異なっています。先ほど言ったように、問題のステーキレストランで食事をしたかもしれませんし、何か別の物を食べたかもしれません。しかし彼らは、まるで生乳自体が悪であるかのように、話を飛躍させ、非難するわけです。私達(バーチウッド・ファーム)は1943年の創業から70年以上続いていることになりますが、・・・解るでしょ?神様がついているんです!私達の生乳から病原菌が検出されたことは一度もありません。素晴らしい実績だと言えると思います。本当に危険な商品だとしたら、どうやって、私達の生乳を飲んだ人が一人として体調を崩すことなく、70年も経営を続けることができるでしょう?
M: それと、私のクライアントで、お宅で生乳を買っている人から聞いた話ですが、あなたのお父様が生乳を飲んで大腸炎を治したそうですね。本当ですか?
B: そうです、彼が使った物の一つが生乳です。生乳から作ったケフィアと、その他にも多くの発酵食品を使いました。発酵食品は、腸を健康にし・・・、腸の状態を回復させ、健康な状態に戻してくれます。父の具合がどうして悪くなったのか分かりません。父は実は最初、西洋医学の医者にかかったんです。医者は薬を出しましたが、大腸炎の状態はかえって悪くなりました。その後、医者はステロイドも処方し、ついには大腸を切除すると言いました。父はステロイドも使いたくありませんでしたし、もちろん腸も切除したくありませんでした。そこで発酵食品などについて調査し始めました。私達がケフィアを作り始めたのもそれが発端です。それ以前は、年々、新商品を追加してはいましたが、父が大腸炎になる前はケフィアを作っていませんでした。そして最初はケフィアを父のために作り始め、需要があったので、商品ラインに追加しました。そうですね、1年ほどだったと思いますが、ケフィアや他の沢山の発酵食品を摂取することで、父は腸を健康な状態に戻しました。今から6年ほど前の話だったと思います。それ以来、大腸炎は再発していません。医者は大腸炎を根治することはできないと言いますが、私は父が根治に成功したと確信しています。