GAPS™の原因は腸内細菌叢のDisbiosis(ディスバイオシス)です。Disbiosis は、Symbiosis (共存)の反意語です。
つまり自閉症に代表されるGAPSから学ぶべきテーマは、「共存」-共に生きる事。
GAPS™プラクティショナー(CGP)・トレーニング中のナターシャ博士の話によれば、人間の腸内には、細菌、カビ、パラサイトと、それぞれ人間に良い影響をもたらす物と、悪い影響をもたらす物の両方が住んでいるそうです。私も一瞬、「良いカビと良いパラサイトもいるんだ~。へええ~。」って感じでした。
しかしながら、今はこのGAPS™の直接的原因である腸内細菌にフォーカスします。
腸内細菌は、
1.善玉菌 -Essential (不可欠の)またはBeneficial (有益な)Flora (細菌叢)
2.日和見菌- Opportunistic(日和見の)Flora
3.悪玉菌-Transitional (移り変わりの)Flora
の3種類に分けられます。
善玉菌:人間の消化を助ける大切なフローラで、数的にも一番多い。これらの菌は、しばしば Our indigenous friendly bacteria(人間に友好的である事が特有の菌)とされている。
このグループの主要メンバーは、Bifidobacteria(ビフィズス菌属)、Lactobacteria(ラクトバシラス菌属、いわゆる乳酸菌)、Propionobacteria(プロピオノ酸菌属)、Physiological strains of E.Coli(大腸菌属)、 Peptostreprococci (ぺプトストレプトコカス菌属)、Enterococi (エンテロコカス菌属)などです。
大腸菌?と思われた方もいらっしゃるでしょう。私だってビックリでしたよ。大腸菌にも善玉菌と悪玉菌があるんです。
日和見菌:一番種類の豊富なグループ。これまでに人間の腸内に見つかった日和見菌は、凡そ500種類あまり。健康な人の場合その数は善玉菌によってコントロールされている。そのコントロールを欠く事で、それぞれの日和見菌が人体に健康の問題を起こす。
このグループのメンバーは、Bacteroids(バクテロイド), Peptococci(ぺプトコクシ), Staphylococci(スタフィロコクシ), Streptococci(ストレプトコクシ), Bacilli(バシリ), Clostridia(クロストリディア、日本語ではクロストリヂウム), Yeast(イースト), Enterobacteria(エンテロバクテリア)- Proteus(プロテウス), Clebsielli(クレブシエリ), Citrobacteria(シトロバクテリア) etc.) , Fuzobacteria(フゾバクテリア), Eubacteria(ユーバクテリア), Catenobacteria(カテノバクテリア) と、さらに沢山ある。
GAPS™以前の日和見菌がパワー・アップして起こる病気で、一般に知られている物:
食中毒、大腸炎、ヘルペス、カンジダ症(イースト感染症)、アスペルギルス症、クリプトコックス感染症、ボツリヌス菌感染、呼吸器感染症(肺結核、肺炎など)、尿路感染症、歯周病、癌(大腸、肝臓、子宮など)
そしてGAPS™;
- アトピー性皮膚炎や酷いニキビ等の皮膚疾患
- 自閉症、アスペルガー症候群(ASD) などの発育障害
- ADD(多動症)、ADHD等の情緒不安定、
- Dyspraxia(統合運動障害), Dyslexia (失読症、読書障害など)などの、学習障害
- 鬱病、統合失調症、双極性障害、強迫性障害(OCD)、ニート(これは私の意見)などの精神障害
- 摂食障害(食欲不振、過食症)
- 癲癇
- アレルギー、花粉症、中耳炎、
- 逆流性食道炎、胸やけ
などなど、全部あげたら切りが無いほどです。
何と言っても、この腸内細菌と常在菌で私たちの健康が守られています。言って見れば、「Line of Defense」、つまり日本語では、え~と、「防御壁」かな?この善玉菌たちが私たちの免疫機能の90%を支えているのです。
日和見感染症(Wikipedia)、御参考までに。
ナターシャ博士によれば、この日和見感染の根本原因は、日和見菌をコントロールするボスである善玉菌の生態系が崩れ、コントロールが効かなくなる事にあるという事です、
日和見感染がパワーアップする場合というのは、善玉菌の生態系が崩れる場合という事になりますが、その理由を大まかに言うと、
- 抗生物質、悪い食事、病気、ストレス、ワクチン接種、経口避妊薬などの複合的な理由
- 1.の理由により両親やその前の世代から、完全でない常在菌(腸内細菌叢)を貰ってくる場合
- 帝王切開など、自然分娩でない出産。
- 母乳ではなく、フォーミュラで育った。
- また上記4種の複合理由
となります。この理由の一つ一つについては、後のブログで御説明いたします。
悪玉菌: 毎日の私たちの衣食住に伴って、入ってくる細菌類です。それらのほとんどが、Non-fermenting gram-negative と呼ばれる菌です。私たちの腸内が、前出の善玉菌でしっかり覆われていれば、私たちの健康に害を及ぼす事なく通過するだけです。しかしながら、善玉菌の数が減ったりとダメージが起こり、その役目が機能しない場合には、病原となります。
Non-fermenting 醗酵しない。gram-negative 細菌の種類を見分けるGramテストで赤く染まらない。体内に入ると、私たちの免疫が反応して、炎症などを起こす。(続く)