昨日の最後のクライアントとのセッションから；
彼はまだ30代後半の若いアメリカ人です。彼の御両親は、何も無い所からの叩き上げで、成功したビジネスをエスタブリッシュされた方です。長男の彼はその事業を継いで、今や社長なんですねえ。
瞑想の話になったので、どんな風に瞑想をするのかシュミレートしてもらいました。
すると彼のエネルギーは、体の奥には下ろされず頭より上でウロウロしているんですねえ。で、何をしているのかと聞くと、「白い光を下ろして、癒してもらっている。」と答えたんです。
これって、もう本当に良く皆さんがやる大間違いのパターンです。
「光に治してもらいました。」「ホーリー・スピリットに、助けてもらいました。」・・・・・・。
よろしいですか？皆さんが、ホーリスピリットに来てもらう時、あるいは白い光を呼ぶ時、体や頭に力を入れてませんか？
「癒してもらって、どう感じるの？」と彼に尋ねると、「心が静かになった。」と、彼はいうんですよ。でも、静かになっていない。あんなに体が緊張していて、心が静かなわけがない。
もう、根本的に勘違いもいい所です。
大体、調子の悪い自分をホーリースピリットに治してもらおうと思う事自体、とってもエゴイスティックですよ。癒しという物が、全然解っていない。
癒すのは必ず本人なんです。何てったって、全員その癒しの能力を持っているんだから。他人（ホーリー・スピリットを含む）に、治してもらう必要もないし、ホーリースピリットに治してもらっちゃったら本人のためにならないでしょ。
体の調子が悪くなるには、体の調子が悪くなるような事を自分がしている時でしょう？ですから、根本原因を無視したまま、ホーリー・スピリットや白い光に、悪い調子だけを良くしてもらうと言う他力本願的なやり方では、西洋医学の対処療法と何も変わらないじゃあないですか？そう思いません？
でもここが彼の素晴らしい所なんですねえ。 じゃあ、牧子はどうするのが良い瞑想だと思うの？っと、興味深げに聞き返すんですよ。
勿論、彼をガイドして心の奥に意識を降ろし、自分の中の真実を邪魔している自分をハグ（優しく抱きしめる？）してもらいました。ね？こうすると本人が本人のエゴと向かっている事になるんです。本人が本人の問題の責任をとているわけ。ハグと言えば、優しい感じがしますけど、自分の間違いをただハグするのって精神的に大変ですから。
彼は素直に、駄目な自分に向かい頭をたれ、疲れてイライラしている自分と向き合ったのです。体は力を抜き、ゆっくり地面に突っ伏していきました。彼のイライラが溜まっているのは胃の辺りで、それが彼の消化不良と胸焼けの原因だったのです。
イライラしている自分がいけないと自分を責める物だから、なかなかリラックスできず、自然治癒力が高まらなかったわけです。消化不良と胸焼けなら、当然体の背中を丸くして、お腹を抱えるような情けない姿勢になっちゃうわけです。でも、そうする事が必要な時も、長い人生の間に、たまにはあるんですよ。でも、そんな自分を一瞬たりとも許せない完璧主義の彼は、無理やり胸を張ってしっかり者の若い社長を演じていたわけです。
ねえ、私たちは神様ではなく人間なんです。人生には山と谷と両方あるのが当然です。山も谷も、同じように受容れる事のできる心や思考力の柔軟さが、自分を最終的に守ってくれるんです。強がって厚い壁みたいに心身をはっていては、何も癒されない。癒されないという事は、人間として成長しないという事です。
人間というのは、自分の痛みを受容れる事で心が広くなるように出来ています。自分も痛みを知っているから、他人が痛い時に許して上げられるし、受容れて上げられるんです。自分の駄目な所を経験しているから、家族や友達、周りの人が駄目な時に優しくサポートして上げられるんです。駄目な自分を受容れる事で、人間として大物になっていくんですよ。
勿論これは彼の心の奥深く仕舞われている心の傷への、第一歩です。でも、第一歩を突破しなければ、先へは進めません。
皆さん、真のナチュラル・ヒーリングというのは、薬や医学を使わないという事以上に、自分の自然治癒力を信じて、邪魔しない事に意味があるのです。光やホーリースピリット、漢方、ハーブ、リメディなど副作用の少ない物を使っても、心身の痛みと戦う事を諦め、自分の治癒力を信じるのでなければ、ナチュラル・ヒーリングにはならないのです。
ナチュラル・ヒーリングは、自分の魂の生きる能力を信じる事から始るのです。そしてナチュラル・ヒーリングが、私たち人間にとって真の成長の道でもあるわけです。
