(その3からの続きです。)
御相談3.6ヶ月間、何処に行っても治らない、目まい。60台前半、アメリカ人、女性、会社社長。
いつものように、立ち方を見ます。右顎と左顎のラインが異常にアンバランスで、頭が右へ傾いています。頚椎の左側が、物凄く張っていて首が回りません。当然肩も凝って、気分も良くない。足の裏を見ると、右の足の裏が、かなり腫れていました。
目まいの起こる前に、歯医者に行ったか訊きました。答えは「Yes」。「そういえば、右の奥歯を治療した。」との事。さらに訊いたところ、その以来、噛み合わせが良い気がしないそうです。
足には、片方だけで26個の骨と32の関節があります。大抵の人は、全部きちんと使っていません。先ず、足の骨のアライメントを整えて腫れを解消し、両足に均等に乗れるようにしました。左右の脊柱起立筋の使い方を正して、頭が真っ直ぐ乗るようにし左右の顎のラインが均等になるようにしました。
この時点で、目まいはとり合えず治まりましたが、噛みあわせが悪いとまた元に戻ってしまいます。直ぐに歯医者に行って、噛みあわせが彼女にとって心地よくなるようにしてもうように、指示しました。
噛み合わせを治した後に姿勢の微調整をして、目まいはそれ以来起こらなくなりました。
どうして目まいになったかですが、噛み合わせが悪い事に対して全身の筋肉で、その体の不都合に対しての埋め合わせをしているうちに、頚椎を圧迫して脳に充分血流が行かなくなっていたんですね。多分バランス感覚を司る、耳の中の三半規管も、圧迫されていたかも。
歯の健康は、心身全体の健康です。特にTMJなどは、良くマウス・ピースを入れて無理に治そうとするやり方が普通ですが、顎がずれる理由は大抵顎にはありません。また、今回の御相談例のように、歯自体の不健康が元で、軽いTMJの症状から目まいにまで発展してしまう事もあります。この辺のバランスを良く見て治療してくれる良いお医者様を探さないと、後でかえって複雑な事になってしまいます。
ちなみに、歯並びは立派に姿勢の一部です。歯並びが悪いという事は大抵、足の32個の関節の状態も悪いです。だからといって歯にワイヤーをかけてな無理に歯並びを矯正する、あのやり方は逆効果で、全身の骨格と筋肉のバランスがさらに悪くなってしまいます。
歯、歯茎と顎の姿勢は、足と背骨の姿勢を正す事が、第一ステップなのです。