20年前、ニューヨークに来たばかりの英語の出来なかった私が、夢中で読んだ本があります。
「Sybil (シビル)」。
シビルと言う名前の、多重人格症の女性について書かれた本です。その当時多重人格症は、アメリカでもまだ良く知られていませんでした。この本は、シビルの精神科医の記録を元に著者であるFlora Rheta Schreiberが書いた物です。シビルは、16人格でした。
この中で、私が興味を持ったのはシビルがパーソナリティAの時は癌だったのに、パーソナリティBである時は癌がなくなっていたという部分です。
多重人格症では、こういった事が間々あるそうです。同じ体なのに、性格によって体調が違うわけです。つまり、体調、身体の不調は「パーソナリティ」=自分や人生に対する思考の仕方、態度、姿勢によって、変化すると言う事実です。体調だけでなく、体格、体質、身体の特徴全てがその時々に表面化している性格によって違っているのです。
私の友人で中国鍼灸師のマリージョーがオーガナイズする、癌を克服した人たちの精神的サポート・グループに参加した事があります。そこに来ていたDさんは、「癌になる前と後の私は、全くの別人よ。癌を経験するまで、私はすごいビッチだったの。 皆に意地悪で、誰からも好かれず、毎日イライラして・・・・でもね、こんな事をしているから癌になったんだって解ったのよ。それで、皆に愛してもらえるように、自分を学びなおしたの。今は癌も治って、再発もしていないし・・・・・結局、癌になったおかげで、私は変われたのよ。」と、話してくれました。
ガボール・マテというカナダのお医者様が書いた、「抑圧された感情の代価 身体がノーという時」(日本語訳あり)には、そんな話ばかりが出てきます。また、アメリカのクリスチャン・ノースラップ医学博士も彼女の有名な著書「Women’s Bodies,Women’s Wisdom」に沢山の例を挙げて、いかに心のあり方が病気の起因であるかという事を説いています。
癌の話だけではなく、全ての心身の不調が、皆さんのパーソナリティを作っている、思考、態度、姿勢と直接関係があるという事です。
そして今まで姿勢を通してみてきた経験からも、それは確かであると言えます。姿勢はその人それぞれの人生や自分に対する、思考の仕方と態度そのもの。つまり姿勢=パーソナリティと言えるのです。
姿勢を見ると筋肉繊維や細胞における緊張と弛緩のアンバランスが、身体の何処にあるか、また何時ごろからあるのかが見えるのです。それは、私にとって物質的、肉体的でもあり、心理的、感情的でもあり、霊的、エネルギー的でもあります。
姿勢を通して、その人のパーソナリティと病気、あるいは心身の不調の関係が解るのです。