私がヒーラーという言葉を意識し始めたのは、2004年の後半くらいだったと思う。
その当時私は、バリバリのピラテス・インストラクターだった。1999年に自分のピラテススタジオをニューヨークに開き、それ以来人間の正しい動きについて研究に研究を重ね、大抵の筋肉と関節の痛み、頭痛、顎関節症、生理不順などは解消できるくらいになっていた。 私のクライアント達は、わたしの事をピラテス・インストラクターと呼ぶのを止め、変わりにフィジカル・セラピストと呼び、ある時からヒーラーと呼び始めていた。マキコのところへ行けば、どんな痛みも治ると、ニューヨークのアッパー・イースト・サイドでは、ちょっと有名になりもしていた。その辺りに住む上流階級の奥様方は勿論の事、医者や弁護士、国名は言えないが、アメリカの元・・・・大使とか、ちょっと有名な作家とか、ノーベル賞受賞者で有名大学の教授、イギリスのコベント・ガーデンのオペラ歌手とかが私のお客様にいた。
っでヒーラーの話に戻るが、ダウンタウンにオーラを読む事で有名なスピリチュアル・カウンセラーがいる。ちょっとした伝手で、その人に私のオーラを呼んでもらったのだ。 それまで、スピリチュアルのスの字も私の世界には、存在しなかったのに。
っで、彼女が何とのたまったか。 先ず「マキコさん、貴方のオーラは普通の人の倍くらいあります。兎に角、とても大きいです。」 やたらとでかいオーラが良いのか悪いのか、私はちょっと恥ずかしい気さえしてしまった。後で、聞いたら非常に良いそうで、ホッとしたのだけど。 「色も素晴らしい・・・」そうで、「白っぽい光の中にゴールドのキラキラが、お星様のように輝いている。」 という事だった。
っと、そこまでは、「とても元気なエネルギー」なんだそうで、取り合えず合格。
その後彼女は、恐ろしい事を言ったのだ。
「貴方は確実にヒーラーになります。それもとても偉大な・・・・キリスト様のように、ワンタッチで、或いは触らなくても一言で人を癒やせるようになります・・・・云々。」
ええええっ? ちょっと待ってくださいよ。 ヒーラーって、もしかして幽霊とか、不健康なエネルギーとかお掃除しなきゃいけないのよねえ。 それは困る。 それにキリスト様は、ちょっと恐れ多いでしょう。
その当時の私の人生のゴールは、健康に生きる事だった。
それまでに出会った癌まで治せるヒーラー達は、皆そろっていかにも不健康な雰囲気だったのだ。皮膚の色を見れば、どんなに汚い血が身体に流れているか解る。みんな、ドス黒い肌の色をしていた。 それに身体が萎縮して、怒りが筋肉の中に溜まっているのが解る。皆、揃いもそろって、健康とは決して言えない。
ヒーラーになる事が、もしそういう不健康状態になる事であるなら、ちょっと申し訳ないが、私は遠慮する。っと、私は断固としてヒーラーになる事を拒否した、つもりだった。
しかし、不思議な事にその後、別のヒーラーと呼ばれる人達に同じ事を言われるのだ。 3人以上の知らない人にそう言われたら、無視するわけにはいかないだろう。抵抗をするのを諦めて、ヒーラーになる事を受け入れる。
そして、「どうせ、ヒーラーになるなら、最高のヒーラーになろう」と決心した。